裏側矯正の主なデメリットは3つです。「発音・滑舌への一時的な影響」「表側矯正より費用が高いこと」「装置に慣れるまでの違和感」です。 ただ、心配しすぎる必要はありません。発音や違和感の多くは、時間とともに軽くなることが研究で分かっています。装置や治療の工夫で、負担を抑えることもできます。この記事では、裏側矯正のデメリットと対処法を正直にお話しします。解説するのは、東京・銀座の女性専門矯正歯科「銀座矯正歯科」です。1998年の開院から累計6,500症例以上の矯正治療を行い、患者様の8割以上が裏側矯正・ハーフリンガルを選んでいます。
この記事の監修者
銀座矯正歯科 院長 中嶋 亮(なかじま りょう)
- 日本矯正歯科学会 認定医
- 日本大学大学院(歯科矯正学専攻)で博士号を取得
- ニューヨーク大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で矯正学を修了
- ヨーロッパ舌側矯正歯科学会(ESLO)Titularメンバー(指導的正会員)
- 日本デジタル矯正歯科学会 理事・学術担当
- 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 クリニカルアドバイザー
- 矯正歯科の専門書の翻訳統括や執筆を手がけ、国内外での学会発表・招待講演も多数
大学の矯正歯科で歯科矯正学を専攻し、大学院で博士号を取得。日本矯正歯科学会の認定医資格を有しています。これらの経歴と臨床経験をもとに、この記事を監修しています。
裏側矯正のデメリットは何ですか?
デメリットは大きく分けて4つあります。どれも「先に知っていれば備えられる」ものです。 当院が実際の診療で患者様にお伝えしている内容を、対処法とあわせて整理しました。

裏側矯正の4つのデメリットと対処法
| デメリット | 内容 | 対処法・補足 |
|---|---|---|
| 発音・滑舌への影響 | 装置が舌に触れ、サ行などが一時的に発音しにくくなる | 多くは1〜3ヶ月で慣れる(研究データあり) |
| 費用が高い | 表側矯正より高くなる傾向がある | 医療費控除の対象。ローン・分割払いも利用可能 |
| 慣れるまでの違和感 | 舌が装置に当たる。食事がしにくいことも | 小型ブラケットなど装置の工夫で軽減 |
| 対応医院が限られる | 高い技術が必要で、医院により対応できる症例に差がある | 裏側矯正の経験が豊富な医院を選ぶ |
このほか、大人の矯正に共通する一般的なリスクもあります。歯の根が短くなる「歯根吸収」、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」、治療後の「後戻り」などです。これらは裏側矯正に限りません。表側矯正やマウスピース矯正でも起こり得るものです(出典:日本矯正歯科学会)。
発音・滑舌はどのくらい悪くなりますか?
着けた直後は発音しにくくなります。ただ、多くの方は1〜3ヶ月ほどで慣れていきます。 裏側矯正と表側矯正を比べた海外の臨床試験では、裏側矯正のグループで装着直後にサ行の発音低下が確認されました。一方で、時間とともに改善していくことも報告されています(Khattab et al., 2013)。複数の研究をまとめた調査でも、裏側矯正では舌の痛みや発音のしにくさが出やすいと示されています(Long et al., 2013)。
つまり「裏側矯正で滑舌が一時的に悪くなる」ことは事実です。当院でも隠さずお伝えしています。そのうえで、次の工夫で負担を減らす取り組みをしています。
- 小型のオリジナルブラケット「FLB」を使用:装置を歯の根元近くに取り付ける設計です。舌が触れたときの違和感に配慮しています
- レーザーやシナプス(pain eraser)で痛みに対応:装置による痛みや口内炎の負担を軽くする処置を取り入れています
接客やアナウンスなど「声の仕事」の方には、スケジュールのご提案もしています。たとえば、大事なイベントの直前に装着開始を重ねない、といった調整です。
費用は表側矯正よりどのくらい高いですか?
裏側矯正は、表側矯正より高くなる傾向があります。 理由は、歯の裏側の複雑な形に合わせて装置を一人ひとりに合わせて作るためです。取り付けや調整にも、高い技術と時間がかかります。
矯正治療は自由診療のため、費用には医院ごとに幅があり、一概にいくらとは言えません。参考として、当院の治療費をご紹介します。 当院のトータルプラン(毎回の処置料込み・税込)では、次のようになります。
| 治療方法 | 一般 |
|---|---|
| 一般矯正(唇側矯正) | 1,100,000円〜 |
| ハーフリンガル | 1,320,000円〜 |
| 裏側矯正(舌側矯正) | 1,485,000円〜 |
表側矯正との差額は、装置のオーダーメイド製作と、取り付け・調整に必要な技術のコストにあたります。料金プランの違いや内訳は下記記事で解説しています。
▶ 「裏側矯正の値段はいくら?費用の内訳・高くなる理由・当院の料金を専門医が解説【東京・銀座】」
なお、矯正治療は医療費控除の対象です(容貌を美化することのみを目的とする場合は対象外)。当院では現金・クレジットカード・デンタルローン(分割)でのお支払いに対応しています。初診相談は無料ですので、費用のご相談もお気軽にどうぞ。
裏側矯正はむし歯になりやすいって本当ですか?
これは、カウンセリングでよくある誤解のひとつです。 歯の裏側は唾液が循環しやすい場所です。そのため、表側に装置をつける場合と比べて、むし歯のリスクが低いとする報告もあります(Long et al., 2013)。当院の診療でも、装置が裏側にあること自体でむし歯が増えるという実感はありません。
ただし、注意点はあります。装置がある間は歯磨きが難しくなり、磨き残しが増えやすくなります。磨き残しが続けば、装置がどこにあってもむし歯や歯周病のリスクは高まります(出典:日本矯正歯科学会)。正確に言うとこうです。「治療中は表でも裏でも、丁寧な歯磨きと定期的なクリーニングが欠かせない」。これが正しい理解です。
裏側矯正を断られるケースはありますか?
噛み合わせが深いケースなど、それぞれの歯科医師の判断で断られることもあります。 「下の前歯が裏側の装置に当たるから治療できない」といったケースです。
当院は開院当初から裏側矯正を治療の中心にしてきており、その経験・知識を積み重ねてきました。噛み合わせの深い症例や抜歯を伴う症例、ガミースマイルを含む難症例についても、まず当院にご相談していただきたく思います。
デメリットを踏まえても裏側矯正を選ぶ理由は?
いちばんの理由は「矯正していることが外からほとんど分からない」ことです。 装置が歯の裏側にあるため、人前に立つお仕事の方や、周囲に知られず治療したい方に選ばれています。ほかにも、次のような良さがあります。
- スポーツ中も安心:表側に装置がないので、ぶつかったときに唇の裏を傷つけにくくなります
- 管楽器の演奏に支障が出にくい:フルートやトランペットなど、唇を使う楽器でも装置が邪魔になりません
- 幅広い症例に対応できる:マウスピース矯正では難しい症例でも、裏側矯正なら治療できる場合があります
どの装置にも、良い点と気をつけたい点があります。当院の考えはシンプルです。「どの装置が合うかは、患者様ご自身のライフスタイルに合わせて選ぶもの」。特定の装置に誘導することはありません。それぞれの利点と欠点を正直にご説明し、患者様に選んでいただいています。
よくある質問(FAQ)
Q. ハーフリンガルにすれば滑舌への影響は減りますか?
下の歯が表側になる分、舌への当たりは減る傾向があります。ただ「ハーフリンガルの方が簡単」というのは誤解です。上下で違う装置を精密に噛み合わせる技術が必要になります。費用や見た目もあわせて、カウンセリングでご説明します。
Q. 装置に慣れるまでどのくらいかかりますか?
個人差はありますが、数週間〜3ヶ月ほどで慣れる方が多いです。着けた直後は、柔らかい食事を選ぶのがおすすめです。話す機会の多い予定を避けるのも良い工夫です。
Q. 治療期間は表側矯正より長くなりますか?
症例の内容と、担当する歯科医師の経験によって差が出ます。当院は裏側矯正を中心にしてきた経験から、表側矯正と大きく変わらない期間を目指しています。期間の目安は、日本矯正歯科学会の指針に沿った場合で2〜3年です。もっと短くしたい方には、別の選択肢をご提案できる場合もあります。カウンセリングでご相談ください。
Q. 治療後に後戻りすることはありますか?
あります。後戻りは大人の矯正すべてに共通するリスクです。治療後は保定装置(リテーナー)をつける期間が必要になります。なお、当院では治療後の保証制度は設けていません。再治療が必要な場合は、お口の状態に応じて改めてご契約いただく形です。詳しくはカウンセリングでご確認ください。
Q. デメリットが不安です。相談だけでも可能ですか?
もちろん可能です。当院はすべて予約制です。カウンセリングでは歯並びの状態を確認したうえで、裏側矯正を含む各装置の良い点・気をつけたい点を比べてご説明します。
東京・銀座で裏側矯正を検討中の方は銀座矯正歯科へ
銀座矯正歯科は、東京・銀座の女性専門の矯正歯科専門医院です(男性の方は学生・ご紹介の患者様のみ承っております)。1998年の開院から、裏側矯正を中心に累計6,500症例以上の矯正治療を手がけてきました。
- 患者様の8割以上が裏側矯正・ハーフリンガルを選択
- 日本矯正歯科学会 認定医の院長が診断・治療を担当
- 独自の裏側矯正システム「FLOS」と小型オリジナルブラケット「FLB」
- 他院で断られた難症例のご相談にも対応
- JR・東京メトロ 有楽町駅、東京メトロ 銀座駅から徒歩3分
デメリットも含めて正直にお話しすること。それが、後悔しない矯正治療の第一歩だと考えています。まずはお気軽にご相談ください。
銀座矯正歯科
- 〒104-0061 東京都中央区銀座3-3-14 銀座グランディアⅡ 6F
- TEL:03-3567-5454
- 診療時間:月〜金 10:30〜13:00/14:30〜19:30、土 10:00〜13:00/14:30〜19:00(日曜休診)
- 公式サイト:https://www.ginzakyousei.com/
参考・出典
- 公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療について」 https://www.jos.gr.jp/about
- Long H, et al. Comparison of adverse effects between lingual and labial orthodontic treatment: a systematic review. Angle Orthodontist 2013;83(6):1066-1073. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8722844/
- Khattab TZ, et al. Speech performance and oral impairments with lingual and labial orthodontic appliances in the first stage of fixed treatment: A randomized controlled trial. Angle Orthodontist 2013;83(3):519-526. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23075062/
